こどもの英語、いつからどんなふうに?

(*新サイトに「コラム」を作りました。初回は先日ブログ掲載の記事を加筆しました。)

児童英語といわれる小6までの英語をどう扱うか、いろんな意見があります。

「〇才で英検〇級に合格した!」「家庭でバイリンガル育児」などの成功例は、ネットでも本もかなり出ています。一方、「国語が先!英語なんてあとからで十分」という知識人や教育関係の方の意見もよく聞きます。

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◆いつから英語を取り入れるか?について

ざっくりいうと、私はこんな感じがいいかなと思っています。

1.幼児~年中さんくらいから英語タイムを入れ始める。英語という新しい言葉と音を紹介する
  イメージです。「覚えなさい!言いなさい!」の大人の期待(欲)はなるべく子供に見せないように。

 「学び」を「遊び」に演出できる親がいると子どもは伸びます。
  逆に罰ゲームのような扱いにするのが最悪です。

2.年長~小2で意識的な学びに徐々に移行。「聞く」「真似して話す」に加え、「読む」も
  少しずつ。「書く」は個人差が大きいので、鉛筆慣れの様子を見て無理せず。

3.小3~4くらいから現する力と読む力を伸ばしつつ、様子を見ながら英検などテスト形式も利用。
  学校英語へもつなぐ。英検は決して実力以上の級をチャレンジ受検しないこと。
 
「え?もっと早く赤ちゃんからじゃないの?いや、胎教からでしょ!」という方もいらっしゃるかも。親子でストレスなく楽しめるなら、それもよいと思います。

今日の本題は逆の立場の方。「そんなに早くからやる必要はない」という意見が根強くあります。特に英語ができる方からの反対論も多いです。

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◆よく耳にする反対論3つ

①早く始めてもあとからスタートした出来のいい子にすぐ追い抜かれる(児童英語の先生など)

②自分は中学からで英語が十分よくできた(英語が得意な方、学歴がある方など)

母国語(日本語)が大切

誰しも個人的経験に基づいて見解を持つものですが、以下に私の思うところを書いてみます。

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①あとから抜かれる?

これは別の資質を持つ子と比べること自体があまり意味をなさないでしょう。

運動や音楽と同様、語学にも習得のスピードには個人差がものすごくあります。「ものすごく!!」です。ある子が3~4年かかることを、別の子が1ヵ月で出来る、そういう厳しい差もあり得ます。資質の差は相当ある、と認識した上で、もし同じ子が、幼児で始めるのと、高学年で始めるのと、中1で始めるのと、大人になって始めるのとを想像して、もしそこに大差ないと思うなら、それはやりはじめた時期ではなく、やり方を問題とすべきでしょう。

最終的には、中学~高校以降の努力次第だと私も思っています。ただその努力をしやすくする土台は小6までの時代に作れると思います。土台を作れた子は、学校英語に関してはこの子は苦労しないだろうな・・と思って送り出せます。

 〇 勉強の仕方を知っている
 〇 英語で話すことが楽しい、外国の文化を面白そうと感じる心を持っている

こういう英語力の周囲を固める要素が実は大きいのではないかと感じます。

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②中学からでいい?

英語が得意な方からよく聞きます。年齢が上がってから学べないのか?というと、それは学べます。語学の才能、学べる環境、やる気・・いろいろそろえば中学どころか大人になってからうまくなる方もいます。

ただ子ども時代に学ぶ英語は、成長と絡んだ学びです。「言えた!わかった!読めた!」などのダイレクトなワクワク感情とセットして学べる時代です。時に遊びとして、時に体験として、時に大好きな人とのスキンシップとして・・・。そういう「楽しみながら学んだ記憶」が、のちの本格的な英語力の下地になってほしいと考えています。

万一、中学の英語の先生と相性が悪く、つまずいたとしても、自分のやる気スイッチが押せたら、ちゃんと育つ質のいい苗木までは育てておく感じです。中1の学校の英語の先生との相性の悪さが一生の英語ギライとなる致命傷になるリスクを減らせます。

また、言語習得の音の部分は年齢が低いほうがよく学べるといいます。耳と発音、大きいです。大学の入試も今後、4技能に移行し、スピーキングテストが入ると言われています。

照れが少なく、音の習得が得意な子ども時代に、いっぱい聞いて声を出す練習をすることからスタートする意義はやはり大きいと思っています。

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③日本語が大切

母国語は思考力に直結しますから、私も最重要だと考えています。英語の学習が母国語習得を阻害するほど大量である場合は注意が必要ですが、日本語でコミュニケーションをとり、本を読み、言葉を増やすことを常に念頭に置けば大丈夫でしょう。

第二外国語の力は母国語以上にはならないといわれています。
母国語で構築される思考力、親子の親密なコミュニケーションを犠牲にしてまでやることはないです。

あくまで日本語メインとして、その上で親の語りかけを一部、英語に置きかえたり、英語絵本を読み聞かせるなどの「英語も入れた育児」(英語育児まで行かなくても)を楽しんでやってみるとか、英語教室をペースメーカーとしてうまく英語の時間を取りいれていくのが、多くの人にとって現実的な方法ではないかと思います。

そして子ども時代の英語の学習が、ちゃんとコミュニケーション力を伸ばすものであれば、ついでに他の能力も伸ばせることも期待できると思います。例えば、物怖じせず意思疎通しようという態度、臆せず発表する力、類推する力、記憶力、朗らかさ・・・などです。

「人とつながりたい」という欲求をおそらく人間は根源的に持っていると考えます。その欲求を満たすことができるかどうかは幸福感に直結します。比較的、屈託ない子供時代に(これも個人差がありますが、概ね自意識でややこしくなる思春期より前に)、英語教育を通してそのような素地を作っておけるとしたら、さらに意味は深いと思います。

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◆まとめます
児童英語(幼児~小6までの英語)は・・・

〇 母国語で培われる表現力や思考力をベースに英語力も伸ばしましょう。

〇 英語タイムを楽しく取り入れることから徐々に意識的な学習へ。聞く、話す、のほか、読みは必須。

〇 勉強の仕方英語の音を知っていること、外国の文化を面白いと感じる心、
  人とコミュニケーションをとることを楽しめる素地などの「土台作り」が大切。

・・・とこんな感じで私は考えています。日々生徒を見ていますから、成功例ばかりでなく、「あっちゃ~~!(汗)」と唸ることもあります。伸ばし切れずにお別れが来てしまった子にはごめんなさいと今も思っています。

諸々の願いを込めて、使いやすい教材作りと効果が上がる教え方の提案を、これからも追及していきたいと思っています。

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藤林恵子プロフィール

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藤林恵子
(ふじばやしけいこ)

京都市出身。上智大学外国語学部英語学科卒業。通訳ガイド国家資格、英検1級などの資格を持つ。在学中、ミズーリ州立大学コロンビア校へ留学。卒業後は企業の役員秘書を経て、専門学校の英語講師を務める。米国コネチカット州に5年滞在の後、横浜で2001年6月から英語教室を始める。子供向け英語教材『チャンツでポン!』『ダンスでポン!』『英単語でポン!』『英単語でポン!センテンス・会話編』など多数。

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