英語を教えるとき日本語を入れるか?サイトワードリーダーズの紹介

昨日、山田暢彦先生のちょっと内輪な育児英語のワークショップに行きました。

共感するポイントがたくさんありました。
話されたことは、ニュアンスを違って伝えてもいけないので、先生からの発信を
待ちたいと思いますが、きっかけとなってつらつらと考えたことを書いてみます。

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◆全部英語で教えるか、日本語を入れて教えるか?

英語に最大限触れさせたい、英語のみでコミュニケーションするという態度で通したい、
という意味合いから、授業をAll in Englishで通すのがベストと主張される先生も
たくさんいらっしゃいます。

また多読を推奨される先生で
「わかってもわからなくても読み続ける。辞書を引かない。」
という方針で進める先生もたくさんいらっしゃいます。

つまり日本語の介在を基本的にNGとする方針です。

私も時々、この質問を受けます。そのたび私は
「日本人の英語講師が週1回程度のレッスンで効率よく教えるためには、
日本語を使いましょう」
と答えてきました。

大きくは以下の2つの理由です。

①日本語なしで正確に意味やイメージが伝わらない。

②英語のみだと理解させるのに何倍も時間がかかる。

◆英語と日本語のズレ

英語と日本語のズレは多々あります。

例えば、日本語の「椅子」と英語のchairはイコールではありません。
英語のchairは、一人用で背もたれがあり、移動できるもの、のイメージです。
日本語の「いす」はしばしばそれより広義で、seat, bench, stool, sofa, couch, ottomanなども
いす、と言ってしまいます。

「顔」を「head」と言いかえないとおかしいときもあります。

文法に至っては、語順から数の認識から時制から、何から何まで違いすぎます(笑)。

日本語で説明すれば、「そうか!」となることを、英語オンリーだと、図解とか
ジェスチャーとか、核心をつかずに遠回りしがちです。

生徒にきちんと伝わり、使い分けができる程度に理解を促したいのであれば
母語を使った補足がやはり必要でしょう。

◆絵本なら英語オンリー?

絵本では絵があるから英語オンリーでいいのでしょうか。

最初に出会う絵本として人気の「Sight Word Readers」。

例えばその中の『Animals』ですが、

I like to climb. ヤギが崖を登る絵
I like to run.  チーターの走る絵
I like to swim. シロクマのおよぐ絵

それをみて、「~がすき」を、英語のみで理解させるのって、難しくないですか?

ヤギが崖にいる絵は

「ヤギが歩いています」
「ヤギがのぼっています」
「ヤギがいます」
「これはヤギです」
「ヤギは山にすんでいます」

など、どのようにも解釈できます。子どもがlike toを半わかりのまま
”I like to climb.”と読んで(聞いて)いたら、それは学びとして不完全でしょう。

「のぼるの、だいすき!」のような簡潔な日本語の補助を入れて、
I like to climb!といいながら、そういう表情、そういう動きを添えたら、一発で伝わるはずです。

あるいは、I like to climb. どういう意味だろう?とこどもにguessさせて、
正解を確認してから、練習するのもいいですね。

そのあと、その「スキ~~♡」の気持ちをのせながら
子供たちが自分の好きな動きをジェスチャーしながら、I like to ~で言わせる。

そういうところにむしろ時間をかけたほうが楽しいし、学びが正確。
先生の英語での説明を長々と聞かせて、子どもがポカンとしている時間より
効果はあるのはずではないかと思うのです。

逆にいうと、日本語なしで理解ができていれば、英語オンリーでいい。

わかってない単語があっても、全体で誤解や不足がないならOK。
こうあるべき、の〇〇先生のメソッドより、生徒の顔を見て臨機応変に、ではないでしょうか。

◆日本語は正しいイメージで理解させるため

日本語を入れる、といっても、逐語訳をしなさいということではもちろんありません。
「理解の助けを、効果的に差し挟む」感じです。

日本語は一回いれて、誤解なくイメージが伝わったら、それでいい。
毎回、日本語を入れるとか、全単語の和訳を言わせるとか
それはちょっとウザいかも(笑)。

あくまで

◎正しいイメージを持たせるという過程を飛ばさない
ということです。

「わからなくてもいいから聞いていなさい・読みなさい」というやり方でも、ちゃんと拾い出して
成果を上げる、言語的に優秀なお子さんもいるでしょう。

・家で英語オンリーの海外番組などをたくさん見る。
・英語の本をわからないところはすっ飛ばして、とにかくたくさん読む。

そういうプラスアルファは、プラスできたら素晴らしいです。が、それはかなり一足飛びの方法だと
認識した上で、足されるのはいいと思います。

それをメインにすえて、成果を上げようとすると、拒絶する子、英語ギライになる子が
いるのではないかとちょっと心配です。

◆徐々に英語率を上げていく

◎日本語で効果的な助けを出しつつ理解を促し、英語の発話練習する

◎絵本も難しければ日本語で理解させてOK

◎そういうプレ段階を経て、英語率を上げていく

冒頭で述べた、完全バイリンガルの山田暢彦先生もご自身のお子さんに、決して
英語オンリーでずーっと語りかける、ということはされず、母語の確立を第一と考え、
日本語での理解を促しながら、少しずつ進めていらっしゃったので、深~くうなづいたのでした。

[おすすめ絵本]
山田先生もお使いでした、サイトワードリーダーズ。
うちの英語教室でも入会時に買っていただいている一押しの絵本セットです。
CDも必ずセットにしましょう。25冊の絵本とCDで3000円もせず買えます。
アマゾンリンク貼っておきます。


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藤林恵子プロフィール写真

藤林恵子
(ふじばやしけいこ)

京都市出身。上智大学外国語学部英語学科卒業。通訳ガイド国家資格、英検1級などの資格を持つ。在学中、ミズーリ州立大学コロンビア校へ留学。卒業後は企業の役員秘書を経て、専門学校の英語講師を務める。米国コネチカット州で5年間過ごした後、横浜で2001年6月から英語教室を始める。子ども向け英語教材『チャンツでポン!』『ダンスでポン!』『英単語でポン!』『英単語でポン!センテンス・会話編』など多数。

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